7つの習慣とアドラー心理学との共通点その5
7つの習慣とアドラー心理学との共通点も5回目となりました。
最初はもっとサクッと簡単に紹介するつもりだったのですが、気がつくと長々と書いてしまっています。
まだまだまとめる力が弱いということかもしれません。
今回も長くなるかもしれませんが、残りの習慣も2つのところまできたので、もう少しお付き合いください。(読んでくれる人がいれば・・・ですが)
今までの記事
7つの習慣の第6の習慣「シナジーを創り出す」とは
シナジーを創り出すと言われても、私はピンと来なかったのですが、それはシナジーがわからなかったから。
シナジーとは相乗効果のことで、1+1が2ではなく10とか20になることだそうです。
わかり易い例としては、陸上競技のリレーとかがあります。
男子100メートルの日本記録はまだ9秒台は出せていません。
日本人に10秒を切るタイムで100メートルを走れる選手は居ないと言うことです。
ですがこれが4×100メートルリレーだと、40秒を切るタイムを出しています。
一人ひとりは100メートルを10秒切ることができないのに、4人で1人100メートルずつバトンを繋いで走ると、メンバーの自己ベストを合計したタイムよりも早い結果を出せるんですね。
これがシナジー(相乗効果)ってやつです。
7つの習慣では、このシナジーを創り出すことを習慣にすべきであると説明しています。
他人と自分の意見が食い違った場合に、どちらかが折れるのではなく、どちらも満たす第3の案を探せと言っています。
そして、それは必ず存在するとまで言っています。
私個人としては、そんなに毎回シナジーを発揮する案が見つかるとは思えないのですが、それは見つけることができていないだけなのかもしれません。
実際に7つの習慣でもこれまでの第1~第5までの習慣はこの第6の習慣のためにあるとしているほどですので、それだけ難しいことだということですね。
シナジーを創り出すためには、相手の求めている物の本質をよく理解する必要があります。
それは、相手の求めているものが必ずしも口からでた言葉に全て表れてはいない場合が多いからです。
そして、その本質部分を理解するためには第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」が役に立ちます。
まず理解に徹することで、相手の本当の目的を見出し、そこに自分の求めるものの本当の目的を組み合わせ、第4の習慣「Win-Winを考える」ことで、シナジーを発揮する第3の案が見つかるということなのでしょう。
自分から相手を理解しようとすることは、第1の習慣「主体的である」必要があります。
その主体的な行動を起こす原動力は第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」で、シナジーを発揮する結果をイメージすることから始まります。
相手のことを深く理解するまでは第3の習慣「最優先事項を優先する」が必要となります。
なるほど、全ての習慣を組み合わせなければ到達し得ない習慣が第6の習慣だと言えそうですね。
第6の習慣とアドラー心理学との共通点とは
では、そんな第6の習慣「シナジーを創り出す」と対になるアドラー心理学とはどこなのでしょうか?
私の思うアドラー心理学でのシナジーを創り出すに相当する部分は他者貢献です。
これも前回の記事で触れた共同体感覚に関連するキーワードですが、この共同体感覚を得られるようになる為に必要なものの一つがこの他者貢献だと説明されています。
アドラー心理学では自分以外の他者を仲間だと定義しています。
そのように認識していけるように変わっていくことを求めています。
そして、他者貢献とは、仲間である他者に対して、なんらかの働きかけをして貢献しようとすることだと言っています。
ここで勘違いしやすいのが、他者貢献とは自己犠牲の上に成り立つものではないということです。
他者貢献はありのままの自分の存在がそのまま他者の役に立っていると思えることなのです。
つまり、ありのままの自分が他人の役に立つように行動できるということです。」
これは矛盾しているように聞こえるかもしれませんね。
アドラー心理学は常に自分の考え方・価値観を変えていくことを求められます。
あなたのために何ができるかを考えて実践していくという価値観を身につけることが、そのまま自分の目的が他者貢献になるということで、自己犠牲ではなく自分のやりたいことが他者貢献であるということになっていく。
これは、7つの習慣でもよく出てくるキーワードであるパラダイムシフトという部分が説明になります。
パラダイムシフトとは、見方を変えるということで、今までの自分の知識・経験から得てきた見方から、新しい見方で物事を捉えられるようになるということを指した言葉です。
アドラー心理学での他者貢献とは、このパラダイムシフトができなければ理解することは不可能でしょう。
パラダイムシフトによって、自分のために他者貢献することで自分の存在価値を感じることができる。
アドラー心理学ではこのパラダイムシフトを自己受容と他者信頼として説明しています。
自己受容と他者信頼
アドラー心理学での自己受容とは、ありのままの自分を受け入れること。
ありのままの自分を受け入れるということは、自分の中の好きなところだけでなく、嫌いだと思う部分も含めて、全ての自分を受け入れるということです。
つまり、ダメな自分を許すということですね。
自分を許してあげられるくらい、自分を好きになるということです。
今のままの自分を受け入れた上で、足りない部分があると思うのであれば、そこを補うような行動をしていけばいいのです。
そして、他者信頼とは、他者を人生の仲間だと認識することです。
これは信頼であり、信用ではありません。
信用とは、条件付きの信頼です。
信用は相手の誠意を確認してから示す態度です。
相手の誠意が見えなければ信用はされません。
そして、信頼とは信じるに足る根拠が無くても無条件に信じることです。
つまり、自分が信じたいから信じているという状態が信頼しているということになります。
自己受容で現在の自分を受け入れ、他者信頼で他者を無条件に信じることができる仲間として捉えることで、他者貢献が偽善ではなく、自己犠牲のない本心からの貢献をできるようになるということです。
ここまで来てもまだ7つの習慣の「シナジーを創り出す」との共通点がはっきりとは見えてこないかもしれませんね。
私も多少こじつけかな?と思う部分でもあります。
ただ、前回の記事でも少し触れましたが、7つの習慣とアドラー心理学では、主とする対象が違います。
7つの習慣は相手との関係を主としての自分の身につけるべき習慣を説明しているのに対して、アドラー心理学は自分の内面のあり方を主として相手との関係性の考え方を説明しています。
今回も見方が7つの習慣とは逆になります。
自分と相手の求める結果が異なった時に、両者の求める結果を損なわずに第3の案を見つけるのが7つの習慣です。
それに対して、アドラー心理学は相手の求める結果に対して、他者貢献で応えることを目的としています。
その他者貢献が自己犠牲とならないためには、相手を人生の仲間だと認識し、今の自分にできることで貢献していく。
それが自然に自分の目的となるような価値観を身につけることで幸福感を得られると言ってるんですね。
そもそも目的が7つの習慣は成功であり、アドラー心理学は幸福であることなので、両者のゴールがずれているためにこのような差が生まれているのだと思いますが、相手と自分のお互いが求めている結果を手に入れられる方法に辿り着くという考え方は似ていると思います。
7つの習慣でのシナジーでさえも、アドラー心理学では自分の考え方次第でいかようにでもできる気もします。
私がまだアドラー心理学の共同体感覚というものをきちんと理解できていないからかもしれませんが、どちらかといえば7つの習慣の考え方のほうが好きです。
結局、何を最優先にしてゴールを描くのかで、自分の選び取る道が変わってくるのかなと思います。
アドラー心理学の共同体感覚はいまいち自分の中にしっくり来ない考え方なのですが、それが幸福感に繋がるという部分は納得できる気がします。
ということは、自分は幸福感よりも成功を求める気持ちが強いのかなとも思います。
ただ、どちらの本も行動の指針になってくれる考え方が示されていて、その指針は決して間違った指針ではないと思います。
どちらを選んでも終着点までの道のりの中では交わってくる部分もあるのではないでしょうか。
7つの習慣を読んだことがなければ1度は読んでみることをおすすめします。
ビジネス書はちょっと堅苦しいと思う場合はこっちの方をおすすめします。
アドラ心理学はこの2冊がわかりやすいのでおすすめです。